固相電析法(SED)とは

トヨタ自動車株式会社が考案した固体電解質膜を使っためっき技術。
SEDは、SDGs(持続可能な開発目標)の目指す社会づくりに貢献するための技術で、「トヨタ環境チャレンジ2050」の活動の一環。この技術を2020年6月にプレスリリースし、CO2の削減と廃液量の削減を目指す。

◇環境負荷物質低減効果(トヨタ試算)

※掲載の資料はトヨタ自動車株式会社の技術資料より転機しています。


SED技術の特徴

1.めっき溶液使用量の低減が可能

ワークを溶液に浸漬なくても良い浸漬レス方式。

2.めっき溶液の異物管理が容易

電解質膜は、主に陽イオンを透過し、めっき溶液中の異物を通さない。

3.マスクレス部分成膜が可能

電解質膜が接触した部分のみ、金属が析出する。

4.高速めっきが可能

電解質膜には、高速でイオンを輸送する性質があり、ワーク表面での濃度勾配(拡散層)が形成されにくいため、高い電流密度での成膜が可能。※最高電流密度は、液特性に依存。

5.異方性を持つ成膜の可能性

比較的垂直方向への成長量が多い。

6.良好な面均性

平板電極の極間距離を従来以上に短くすることができ、効率の良い電界形成が可能

7.加圧状態での成膜

成膜面を物理的な力で押さえながら成膜することが可能。新しい工法の可能性。


2022年4月現在、Cu、Niめっきに対応可能な技術です。

現在、その他金属被膜を開発中。